成長ホルモン分泌を促す生活

成長ホルモン治療さえ受ければ低身長は解決するのでは、という考え方が低身長の子供を持つ親御さんに芽生えがちです。確かに周囲が育ち盛りでどんどん伸びていく様子を見ながら我が子を育てていると、どうしても焦る気持ちが出てくるのは仕方のないことです。

しかし、実際に成長ホルモン治療を受けられるのは検査を受け限定された子どもたちです。治療を受けられる認定を獲得したとしても、今時の平均身長よりずっと低い身長の時点で小児特定疾患の受給は打ち切られてしまいます。「まだ160cmにも満たないのに?」と戸惑う親御さんも多いですね。そこで、成長ホルモン治療を受けても受けなくても、自力で成長ホルモン分泌を促す、薬だけに頼らない努力をしてみましょう。治療を受けている場合には、より効果を上げる手助けにもなるはずです。

 

成長ホルモンと身長

成長ホルモンは脳下垂体が指令を出して血液で肝臓まで運ばれ、ソマトメジンCというものになります。それが骨まで届いて軟骨細胞を増殖して骨が伸び、身長が伸びるのです。つまり、身長を伸ばすのに必須なのは成長ホルモンです。

昔から<子供はいつまでも起きてないで夜は早く寝なさい>とか<栄養をちゃんと摂ってよく遊んで>と言いますが、それは成長ホルモンが分泌される条件そのものだったりします。身長を伸ばすのに必須な成長ホルモンの分泌増加を狙うのは、実は普段の生活から始まっているのです。

 

成長ホルモン分泌を促すポイント

成長ホルモン分泌増加を狙うのには、普段の何気ない生活にポイントがあります。まずは睡眠。十分な睡眠を取るのはもちろんですが、早寝がポイントです。適度な運動も必要です。運動のポイントは骨に負担のかかるような過度の運動はマイナスになります。食事はポイントとして大きく、牛乳を飲んでいれば伸びるというものではありません。カルシウムも確かに必要ですが、タンパク質などもたっぷり必要ですね。精神面も実は大切です。ストレスのない愛情に包まれた環境が好ましいです。ストレスや不安が強いと、夜眠れなかったり食欲が落ちたりするものです。<子供は元気が一番>と昔の人はいいましたが、健康な身体というのも基本中の基本。喘息などの病気は子供に増えていますが、食欲や睡眠に大きく関わってきます。内臓系の病気をしていると、栄養の吸収や、ホルモンの分泌にも関わってきます。

これらのどれかをクリアすれば良いのではなく、生活上総合的にクリアしていく先に成長ホルモン分泌増加があるのです。

 

ポイント1睡眠

寝る子は育つとはいうものの、そんなに睡眠の重要度合いが大きいのかと思うほど重要です。というのは、成長ホルモンが自然に分泌される一番の時間が、午後10時から午前2時くらいまで。この時間の他にも分泌はされますが、比べ物にならない量です。この夜の時間帯を夜更かししたり、眠れずにいると、みすみす分泌タイムを逃してしまうということになります。この時間帯により効率良く分泌させるために、夜食を抑えたり、逆にお腹が空いて眠れないということもなく、ストレスや不安で眠れないということも避けたいところ。深く眠っている時に分泌がされますから、良質の眠りを得たいですね。

実は成長ホルモンだけでなく、夜間に暗くなると分泌されるものでメラトニンというホルモンがあります。これは睡眠にも関わってきますが、性成熟を抑制する作用もあります。思春期を早く迎えると、早く身長の伸びが終わってしまうことを考えると、部屋をちゃんと暗くして早く深く睡眠を取ることが大切なのが分かります。夜中まで勉強したりする場合は、朝型勉強に移行できたらいいですね。

 

ポイント2栄養

成長ホルモンの分泌増進にはもちろん栄養も大切です。植物でさえも水や肥料をあげなければ枯れてしまうのと同じで、身長を伸ばすだけでなく健康な身体と命を育むものです。コーラやジュース、お菓子などでお腹がいっぱいになるような生活をしていると、肝心な栄養を補う食事がお腹に入りません。まずは栄養を補うための生活習慣ですね。

栄養は牛乳をたくさん飲んで背が伸びたという俗説を信じがちですが、実は極端な量の牛乳を飲み続けるのは他の食事が取れずに栄養不足になり貧血になる恐れがあります。野菜や魚、大豆製品、肉、ご飯やパン。たんぱく質や脂肪、ミネラルやビタミン類をバランスよく摂取することで栄養の吸収もよくなります。食べたのはいいけれど、吸収されなければ意味がないですよね。

成長ホルモンは191個のアミノ酸を原料にして体内で作られますが、アルギニンはその主の原料の一つ。アルギニンは脳下垂体に作用してホルモンの分泌を促進してくれる働きがあるのです。このアルギニンは肉・大豆食品・魚介類や乳製品などのたんぱく質に含まれます。たんぱく質が必要というのは、ここからもきています。大豆食品にはアルギニンは多く、高野豆腐などは特にオススメ。難点は、若い子はあまり高野豆腐などを好まない傾向があるところでしょう。ここは高野豆腐をいかに美味しそうにみせるか、料理の腕の見せ所かもしれませんね。

また、たくさん食べさせようと夜食まで張り切ってしまうのも考え物です。消化しきれないものが胃に残ったまま睡眠に入ると、睡眠が浅くなって成長ホルモンの分泌を邪魔してしまいます。