成長ホルモンが出ているか測る検査

「成長ホルモンが不足しているかもしれない」と言われても、目に見えるものは我が子の身長くらいで、ホルモンの分泌が見えるわけでもありません。いったいどうやって出ているか出ていないか調べるのでしょうか。また、その検査をするには血液検査のように、ちょっと採血するだけなのか、それとも入院して検査するものなのか。それとも検査通院しなければならないのか。平日しか受診できない病院だと、子供は幼稚園や小学校を休まなければならないですし、親も仕事や家のことを置いて病院へ行くことになります。ちょっと気軽に検査してくるというものでもなさそうです。

 

なぜ成長ホルモンが不足しているのかを調べる

成長ホルモンが出ているかを検査する前に、まずは「なぜ成長ホルモンが不足しているのか」を調べます。問診や成長曲線グラフによって子供の身長の伸びの速度が分かるので、成長ホルモンが不足しているのか、必要としている状態なのかが予測できます。しかし、低身長や成長ホルモン分泌不足の原因の陰には、他の病気が隠されている事が多いので、成長ホルモンを測定する検査の前に原因を掴み、その病気の治癒を平行しながら低身長の治療をするということがあります。

一般検査(スクリーニング検査)としてはMRIやCTで脳下垂体などに腫瘍がないか調べます。女子はターナー症候群の可能性を検査するため、染色体の検査をします。血液検査や尿検査をして、糖尿病や腎臓などの病気が隠れていないかも調べます。この時の血液検査や尿検査で、成長ホルモンが分泌されているなら含まれているはずの成分を調べたりもします。

 

成長ホルモン負荷検査をする

主治医が低身長として成長ホルモン投与の治療を見込めるとみた時点で、成長ホルモン負荷検査をします。これは成長ホルモンの分泌状態をより正確に調べる検査ですが、成長ホルモンは一日中時間によって量がバラバラなので、1回の検査ではなく一日を通して一定時間毎に検査をする必要があるのです。入院して点滴を腕にして、血液検査や尿検査を繰り返しするのは子供にとって負担は大きいでしょう。そこで高額になる成長ホルモン注射を、公費で特定疾患医療給付制度などを受けられる見込みをして検査をするのです。

 

成長ホルモン負荷検査の方法

成長ホルモン負荷検査は、成長ホルモンの分泌状況を正確に調べるための検査になります。成長ホルモンは1日中分泌はされていますが、時間帯によって分泌量がまちまちなので、通常の血液検査や尿検査とは違う方法で行います。よく「寝る子は育つ」といいますが、日中は分泌量が少なく、夜10時くらいに寝ている時に分泌量はピークを迎えます。そのため1回の検査ではなく、成長ホルモンの分泌を促す薬剤を投与して、一定時間ごとに血中ホルモンの量を測定するのです。なぜ成長ホルモン分泌を促す薬剤を投与するかというと、投与することで脳下垂体は大量に分泌をするはずだからです。分泌機能が十分でない場合、刺激薬を投与してもあまり分泌されません。そこで分泌量や分泌機能が正常かを判断できるのです。

刺激薬として使用されるのは、血糖値を下げるというインスリン。成長ホルモン分泌を促進する働きもあるのです。投与前後で採血します。アミノ酸の一種のアルギニンも成長ホルモン分泌促進になります。これは点滴投与して前後に採血します。他に、パーキンソン病の治療薬で、脳の中に入るとドーパミンという物質になるL-DOPAも使用されます。高血圧の薬であるクロニジンや、血糖値を上げるグルカゴンも使用される可能性があります。全部使うわけではなく、5種類中2種類以上で検査を行うのが原則になっています。

こうして行われた検査で、成長ホルモンが一番高い値で10ng/mLを超えるかどうか判定されます。一日中検査、ということになるので入院して検査することになります。怪我や肺炎などの病気ではありませんが、検査にかかる費用は健康保険が適用されるので、トライするだけのことはあるでしょう。