特発性低身長症の意味

身長が低い=原因ある・・・とは限りません。もちろん、栄養や睡眠や運動などの生活習慣から、内臓や染色体の異常、甲状腺や脳下垂体の異常まで、色々な可能性を模索していくことは必要です。しかしそれでも、成長曲線から身長の伸びが外れていくというのに、原因が突き止められないということはあります。しかし今の医学では「身長が伸びない、けれど原因が分からないから諦めてください」とは言われません。

 

特発性低身長症とは

数ある低身長症のなかでも、95%をしめるというのがこの『特発性低身長症』です。低身長というのはそもそも、特発性・続発性・遺伝性のものに大きく分かれています。特発性は推測ではありますが、出生の頃に成長ホルモン分泌が低下したためにおこるとされています。しかしその原因は不明。骨盤位分娩や仮死などの分娩障害も原因の推測に入っています。

成長ホルモン不足は成長速度の低下を招きますが、特発性低身長症は乳児期から次第に低身長の傾向が現れて、幼児期には明らかになるのが通常です。放置しておくと、子供の平均身長からだんだん遠ざかっていって、低身長の程度は周囲と比べてかなり強く出てきます。しかし遺伝性の低身長症は特発性よりももっとハッキリとした低身長です。

特発性低身長症が原因が分からないとはいえ、低身長症の多くの子供がこれにあたるとして、対策は比較的しやすいでしょう。とりあえず、この場合は乳児期からの綿密な身長を測ることをしておくことです。この場合『いつ頃から』というのもポイントになります。

 

原因不明というと治療は諦め??

原因が分からないというと、どうしても治療ができないのでは?と考えてしまいますね。しかし、成長ホルモンを分泌する甲状腺の機能低下などは新生児スクリーニングなどで発見されて、早く甲状腺ホルモン補充をすれば発育は順調になります。

原因不明とはいえ、成長曲線を記録さえしてあれば、それは「ただ単に身長が低いわけではない」となり、病気である事が分かりますね。これを元に早期に対策・治療に向かうことが、順調な成長への足がかりになります。

 

原因不明なのに治療して大丈夫か?

原因不明といえど、身長が伸びないほとんどの理由が成長ホルモンの不足にあります。原因が分かればその治療が最優先になりますが、原因が分からない場合は、とりあえず足りない成長ホルモンの分を「正常な分」に近いように補充してあげることです。

人工的なホルモンを投与することで安全性や、成長ホルモンを毎日注射することに不安を感じたりする親御さんも多いですね。しかし臨床試験などで安全性が確認されていますし、投与しすぎず医師の指示に従っていれば、通常の成長に近づいていくことも可能です。