ターナー症候群とは

「ターナー症候群って?聞いたことない」という方は多いでしょう。どちらかといえばターナーといえば美術展など開催される画家のウィリアム・ターナーのほうが有名かもしれません。しかしターナー症候群は性染色体の欠損が原因で発育障害や機能障害を起こす症候群です。

 

「症候群」と「症」と「病」

「症候群」と「症」「病」では何が違うのでしょうか。なぜターナー病ではなくターナー症候群なのでしょう。それは「病」は、だいたい原因の分かっている病気です。大して「症」とつくのは原因がよく分かっていない病気。「症候群」は原因不明の症状の集まりです。つまり、ターナー症候群は、色々な症状が集まってターナー症候群という病気になっているといえます。ターナー症候群であると「これ」という症状ではなく、色々な身体の変調がみられるということになりますね。

ちなみに、ターナー症候群の「ターナー」はこの症候群を発見したヘンリー・ターナー博士からとられています。本当の原因である染色体の欠失というのは、フォード博士がつきとめています。

 

ターナー症候群とは?その原因

ターナー症候群とは、性染色体の欠損が原因で卵巣の発育障害やこれによった機能障害を起こす症候群のことです。女性の染色体はXXですが、このうちの一つのXの一部が欠けているということになります。そして、これは女性だけにみられるもので卵巣から出るはずの女性ホルモンが不足するために第二次性徴がみられません。さらに「症候群」という通りに、色々な症状がでてきます。この症状一つひとつに関しては病院を受診するというほどに思うことが少なく「ちょっと成長が遅いかな?」くらいにしか思わないことほとんどです。あえて特徴がハッキリ見られて分かりやすいのが低身長でしょう。

遺伝子に問題のあるものの中では比較的よくみられるものの一つで、2,000~2,500人の女子に1人の割合で見られるこの症候群です。が、染色体の異常にしてはほとんどのターナー女性は健康で幸福な人生を送ることが期待できるとされています。

 

ターナー症候群の症状

ターナーが発見した症状は、低身長・性的発達がない・腕が肘のところで僅かに外側に生えている・首の周りに皮膚のたるみがある・背中側の髪の生え際が低いなどがあります。のちに、他に見られる症状として、握りこぶしを作ると薬指や小指のコブが出にくいとか、

腕を伸ばしたときに、肘がまっすぐよりも親指の側に曲がっている、左右の乳頭がやや外側の位置にある、ほくろが多いなどがあります。しかしこれらは、本当に見逃しがちな症状ですね。赤ちゃんの頃としては母乳やミルクをあまり飲まずによく吐くとか、幼児期には中耳炎になりやすく、聞こえづらいなどがあります。まれに心臓や大動脈に異常があることもあります。しかしミルクの飲みも中耳炎も、子供ならわりと普通に育つ子供でもなるものです。見極めとしては難しいものがあるかもしれません。

 

ターナー症候群の治療

ターナー症候群の原因が染色体の欠損となると、それを補うというのは無理でしょう。しかし、その症状に対応した治療は可能です。一番表に出やすい症状が低身長ですが、ターナー症候群の女子は出生後からちょっと小さめです。そして、だんだん身長の開きがでてきます。こちらは成長ホルモンを投与すれば身長もわずかに伸びを期待できます。ターナー症候群の成人女性平均身長は138センチですが、150センチにまでになる女性もいます。遺伝により両親の背が高いターナー症候群の女性は若干高くなるようです。しかしそれでも、現代女性にしては背は低いほうですね。成長ホルモンを投与することによって、身長が平均で約8センチほど伸びるといわれています。

 

出産は可能なのか?

低身長だけならばまだしも、出産は可能だろうか?という心配があります。卵巣が発達しないということは、女性ホルモンが作られないということと、卵子を貯蔵して月経がはじまると定期排出するという役目ができません。乳房の発達は小さくとも母乳の出に支障がありませんが、卵巣の機能が発達しないのは受胎どころか月経もない可能性があります。つまり通常言われる性的成熟がなく不妊になります。そこで、足りない女性ホルモン・エストロゲンは薬剤によって補充します。この治療は成長が終わりに近くなってから進められることも多いですね。骨の成長を早めてしまうからと言われています。骨が成長しきってしまうと、それ以上の身長の伸びが期待できなくなってしまうからです。だいたい15歳くらいが踏み切る機会とか。

現代医学ではターナー症候群の女性は体外受精や胚移植などで我が子を抱ける日のチャンスを作っています。