気づいたときからの経過

子供の身長が低い傾向にあるということは、1歳未満の健診の際に小児科医に指摘されました。とはいえ、服で言えばSサイズからSSサイズというくらいで、成長曲線から大きく外れるような感じではありませんでした。 小児科医は紹介状を持たせてくれたものの、ちょっと小柄という認識であった私には、身長のことでわざわざ病院に行くこともなく、病院を訪れたのは別件の小児喘息のためでした。我が子の身長が低いということは気づいていましたが、低身長というところまでは気づいていなかったのです。

気づくというよりは、医師の具体的な指摘からの経過をお話しましょう。

 

低身長はじめの一歩から

1歳未満の健診時に低身長になる可能性を指摘されて、紹介状を持って大きな病院へ。その時点ではまだ成長曲線に身長を書き込み、特にまだ検査とかもしていませんでした。成長曲線の一番下の-2SDから大きく外れてはいなかったからです。

当時子供は小児喘息で1年に4回も発作で入院するほどだったので、病院へは定期的にかかっていました。つまり、小児喘息と共に様子を観察していたということになります。今思うと、小児喘息は食や運動や睡眠にも影響を及ぼしていたと思います。一旦発作を起こすと食事はあまり喉を通らないですし、運動はもちろんしばらくできません。睡眠は夜間に仰向けで寝ると苦しいために、熟睡できないことも多かったでしょう。子供は食が細く痩せていて、身長が伸びるだけの身体のパワーが感じられなかったですね。

 

学校で並ぶと学年が違うようだった

小学校に入学すると、学校ではよく「背の順」で並ぶことが多くなります。運動会などは一番前になりますね。しかし小さいといっても周囲と並ぶと、子供の部分だけが背の高さが陥没したように見えました。学年でいうと、同じ学年の子供と比べて1~2学年低く見えます。これはかなり深刻になってきたと感じた出来事でした。体型は中性的で、か細く育った幼児という印象。伸びやかで力強くなっていく少年少女という印象とは程遠いものです。成長ホルモン治療を受ける前の我が子の状態は、このような年齢規模で低い身長でした。

 

タイミングは成長曲線

主治医はタイミングを待っていました。成長曲線からわずかでも沿わない身長の点が出てきたら、すぐに負荷検査に踏み切ろうとしていました。そして、とうとうその時が来たのです。ちなみに成長曲線から外れるというのは、記入していった身長の点が下になるわけではありません。背が縮むということではないからです。成長期にあるのに、測定値が前回の点と同じ位置にあるということで、既に「成長曲線から外れている」ということになります。この時点までくると、負荷検査をした場合に、成長ホルモン治療を申請する数値が出る確率が高くなります。負荷検査は子供が入院して一日中検査なので負担がかかります。付き添う親も辛いものです。医師としては「この時点で」というタイミングを成長曲線を見ながら待っていたのです。

 

成長ホルモン治療をしていく

成長ホルモン治療が始ると、小学生にもなっていれば処方される時に薬剤師などから注射の仕方などを習います。成長ホルモン治療は飲み薬ではなく、在宅注射で自分で毎日投薬します。最初は親が子供に注射していきますが、痛みや注射の段取りが分かってくると、子供でも容易くできるようになります。成長のポイントは、注射は短くて細い針なので、きちんと根元まで刺して液を漏らさないことです。それと、体重が増えていくと薬液量も増えていきます。液の量を子供が把握しやすいように、注射のケースのふた裏に表示しておくなどしておくと良いですね。注射は身体の中に直接入れるものですから、針や本体は衛生的に保つのも基本です。

精神面では、成長ホルモン治療をしていてもすぐには伸びないところがネックになります。どんどん周囲の子供から身長が引き離されていくのに、毎日注射はするという生活は子供なりにも「効果がないのでは」と悩む日がきます。思春期に差し掛かるころには、さらに反発心も加わるので、親の忍耐強いフォローが必要です。

 

成長ホルモン治療が終る時と身長

男の子であれば160cmは欲しいところですが、その手前で成長ホルモン治療に必要な小児慢性特定疾患が受給を終えてしまいます。その時点で手の骨や血液を調べれば、一番伸び盛りの時より伸び率が低くなってきていても、骨に伸び代さえ残っていればまだ惰力で伸びていく可能性があります。受給が終わり、成長ホルモン治療が終ってもガッカリしないことが必要です。

むしろ、小学生までは筋トレや無理な運動をすると身長の伸びの妨げになっていたことが、中高生になると解禁です。特に高校生くらいになると、その先の自分の筋肉の基本ができあがるので、ぜひ沢山運動して心身共に強く逞しい身体になっていって欲しいですね。女子も男子も体格を作っていくことで、低く見えていた身長がある程度見栄えがすることが往々にしてあります。胸を張りあごを上げて堂々として歩いていると、パッと見は既に他の子供と遜色ないように見えました。

また「よく食べてよく運動してよく睡眠をとって」というのは続行しています。少しでも身長を伸ばしたいという気持ちもありますが、成長ホルモンは成長期に必要なだけではないということも言われているので、そのあたりはできる限り努力しています。